本当は背景部分を先に書いた方がいいんですが、多分ここを知りたい人が多いと思うので、推奨事項部分から翻訳しておきます。翻訳中には入れていませんが、参考文献の数字が入ってます。（それぞれの推奨事項にはもっと詳しい解説が書かれているのですが、こちらの翻訳はかなり手こずるのでとりあえず概要部分だけ翻訳していきます。）
翻訳
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推奨事項⑤
不健康な食品と飲料
a. 砂糖、塩分、トランス脂肪酸を多く含む食品は摂取すべきではありません（強く、確実性の低い証拠）。
b. 砂糖入り飲料は摂取すべきではありません（強く、確実性の低い証拠）。
c. ノンシュガー甘味料は摂取すべきではありません（強く、確実性の非常に低い証拠）。
d. 100％フルーツ飲料の摂取は制限すべきです（条件付き、確実性の低い証拠）。
備考
-これらの推奨事項の実施を支援するためには、幼児に必要な栄養を考慮した農業政策、パッケージの前面表示やマーケティング慣行に関する政策などを含むが、これらに限定されない広範な政策行動が必要です。
-砂糖・塩分・トランス脂肪酸を多く含む食品や砂糖入り飲料（SSBs）、ノンシュガー甘味料の短期的・長期的な害について、養育者に説明することが必要です。
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解説
ここも大体以前から言われていたことですが、トランス脂肪酸は書かれてなかったように記憶してます（書かれてたとしたらすみません）あと、砂糖については補完食を作る時に加えるとエネルギーアップできるよ、的なことを書いていて違和感あったので、少なくとも「砂糖を多く含む食品はだめよ」のメッセージ書いてくれてよかったなと思います。
さてそれはさておき解説を少し加えていきます。（解説部分、翻訳と私の意見が入り混じってしまってます。すみません。完全な翻訳じゃなくて意訳しているので引用符でくくるのもはばかられ、ううむ、どうしたもんか。）
まず前提として、高度加工品とか超加工品と言われる砂糖・塩分・トランス脂肪酸といった不健康な脂肪を多く含む食品は、高エネルギーだけど栄養は少なく、問題視されています。
それからフルーツ飲料は健康的に見えるかもしれないんですが、ビタミンは摂取できますが、遊離糖を多く含むので、飲むことで本当は他に必要な食品に取って代わってしまう可能性があるのでちょっと懸念があるよね、ということが書かれています。
ざっくり全体のエビデンスまとめますと、ノンシュガー甘味料と不健康な食品の摂取は、BMI、BMIZ（こちらも体格の評価の指数です）、体脂肪率、齲蝕、過体重または肥満の確率を増加させる可能性があります。
"乳幼児期の甘いものの摂取は、その後の人生におけるWHZ（weight-for-height z-scoreこれも体格の評価の指数）と正の相関があり、2～5歳未満および5～10歳未満の子どもにおいて、身体測定に不利な結果をもたらす可能性がある。"とあるので、こちらも要するに肥満リスクがあがるよという解釈で良いと思います。
ノンシュガー甘味料に関しては、5つの研究のうち1つでBMIの上昇との関連性が示されています。
100％フルーツジュースに関しては、BMIや過体重、肥満など評価されてますがあまり関連なさそうだしエビデンスレベルも低いです。が、糖尿病の糖類摂取のWHOのガイドライン考えても摂取は制限しとこう、ということのようです（まあAAPとかも制限してるんですが、ここまであれこれエビデンス書いておいてその結論なのね、という気持ちにはなりました）
生後6～11ヵ月の母乳栄養児では、不健康な食事を摂取することで、鉄と亜鉛だけでなく他のいくつかの栄養素の栄養ギャップが増加することが示された＆生後9～11ヵ月の母乳栄養児の鉄にも当てはまってます。が、母乳栄養でない生後12～23ヵ月の子どもの栄養摂取量にはほとんど影響がなかったというのはなかなか面白いなと思いました。
と細々書きましたが、逆にわかりにくくなってすみません。
日本でも砂糖や食塩を使った乳幼児向けの商品は数多くあります。完全に除去することは正直厳しいと思います。ただ、ここに書かれているように「砂糖、塩分、トランス脂肪酸を多く含む食品」を控えることはできると思います。また砂糖入りの飲料、砂糖以外の甘味料の入った食品を避けることも意識すれば可能と思います。
100%フルーツジュースの摂取をどの程度制限するかについては、AAPの推奨がわかりやすいと思います。医学的な理由がなければ1歳までは飲まない、1〜3歳は1日4オンス（約120ml）未満、4〜6歳は1日4〜6オンス（約120ml〜180ml）。わかりやすい量と思います。
特に疑問はないところかなと思いますが、気になる部分があった時は出典をご確認ください。
出典
https://www.who.int/publications/i/item/9789240081864
https://iris.who.int/handle/10665/373338
AAP
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